これが韓国最大級の巨大スラム街!ソウル江南区「九龍村」を訪れた (全2ページ)

これまで行きそうで行かなかった隣の国、韓国を訪れたのは2015年春になってからの事だ。まず韓国の二大都市である釜山とソウルを訪ねたが、いずれも韓国の貧民街とされる「タルトンネ」(달동네/月の町)と呼ばれるスラム街を見物した。その中でも最も有名なのはやはり「九龍村」(구룡마을)ではなかろうか。

韓国 ソウル 九龍村

九龍村の存在は日本のマスコミにも報道されているし、既に日本人が書いたブログ記事なんかにもレポートが挙がっているので今更な感じもしなくもないが、それでもソウルの中でセレブエリアとして認識されているはずの江南区に人口数千人規模の不法占拠スラムが現存していると聞けば、やっぱり「血が騒ぐ」ってもんでしょうよ。

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というわけでわざわざソウルの外れの山裾に広がる巨大スラム街までやってきた訳である。場所はソウル江南区の南側、開浦洞の住公団地南側を通る大通り「良才大路」(양재대로)を超えたその向こう。地下鉄なら往十里駅から出ている盆唐線に乗って九龍駅で下車、そこから徒歩15分程度。大人しくタクシーでも拾いましょう。

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1970年以降、元々はソウル郊外の農村地帯だった場所が開発され発展してきた江南区の中にある貧民街…その成り立ちの詳細は不明だが、ソウル五輪が開催された1988年以前の都市開発で追い出された身寄りのない貧民層が山裾の土地を切り開いて掘っ立て小屋を次々建てて不法占拠、それが膨れ上がったのが現在の「九龍村」であるとされる。

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スラム街のメインストリートである良才大路14ギル、16ギル沿いには地元民向けの商店や障害者サービスセンター云々と書かれた施設がぽつぽつ並んでいるが、コンビニやスーパーといった気の利いた店は一切ない。住んでいるのも足腰の弱い高齢者ばかりである。

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韓国にはまだまだこのような不法占拠スラムが数多く残されているが、一ヶ所で1242世帯2530人を数える巨大スラム街は九龍村の他にはない。韓国のスラム街ではお馴染み、暖を取る為の練炭の燃え滓も、人口のぶんだけやたら大量に捨てられている。

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インフラが不十分な不法占拠スラムの掘っ立て小屋ではガスコンロはおろか電気ストーブも石油ストーブもろくに使えない。冬の寒さが厳しい韓国では練炭は生命線、練炭の数だけ貧しさがあるのだ。よく慈善団体が「愛の練炭配り」と題して、こうしたスラム街で練炭を無料配給する事もあるそうで。

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ゴミ置き場もこの通り、ろくに分別もせずに捨て放題という状態で、夏場になると生ゴミから出る悪臭で酷い事になりそうだ。

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うず高く積まれたガラクタの山。屑拾いで生計を立てている住民もいるらしく、こうしたガラクタを分別しているアジョッシの姿もあった。使えそうなものは別の住民が勝手に持って帰ったりしてるんだろう。これは大阪民国の西成でも見かけるエコシステムですね。

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メインストリートから一歩中に入ると、そこから容赦無い迷路のような路地に入り込む。掘っ立て小屋が不規則に乱立し、生活道路が圧迫されているのは見た目にも明らか。日中ならまだしも、日が暮れたら自分の家に帰れるのかよこれ。

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で、肝心の九龍村住民の暮らす「家」は、これまで韓国の他のタルトンネと呼ばれる場所で見てきたどの家よりもみすぼらしい。壁はベニヤ板、屋根もベニヤかトタンの上に雨よけのカバー代わりに使わなくなった絨毯とかビニール製の防水シートのようなものを被せて、風で飛ばないようにキムチ壺や岩などを重石に載せている。

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辛うじて電気だけは各家庭に供給されているようで、頭上に夥しい数の電線が通っている。なんとも危なっかしい。雨に降られたら未舗装の地面がぬかるむし、感電の危険も考えられる。

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これだけの数の不法占拠家屋が密集しているにも関わらず、「住民」とすれ違う機会は数える程しかなかった。既に住民の多くが高齢化しており、ろくに外出すらしない。足腰が弱っている老人にとっては外出が億劫になりそうな街だ。

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遠目に見える「江南スタイル」な超高層マンション群が韓国の格差社会を象徴しているかのようである。この悲壮感極まりない貧民窟だってガチな江南スタイルですよ。ええ…

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貧しさに喘ぐスラムの住民にとっては心の救いとなっているであろうキリスト教会も九龍村のあちこちに建っている。やはり同じく掘っ立て小屋のような簡素な建物である。

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とりあえず、使えるものは全て使って建ててみました的パッチワーク風バラック家屋に赤い十字架の教会なんかがあったら絵になり過ぎて身悶えしますね。大阪の生野区でもこんなハードコアな住宅は存在しません。ホンマモンです。

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九龍村の中には側溝の上に蓋をして生活スペースを作っているお宅もあったりして、所々側溝の蓋が腐っていたり、蓋すら無く側溝の穴が剥き出しになった箇所もあるのでうっかりすると転落する恐れもある。毎年穴に落ちて怪我したり死んでる人が居るんじゃないのか…スラム探訪は危険を伴うのである。

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まだまだスペースの有効活用例はいくらでも見受けられる。側溝を建築用足場で埋めて洗濯物干し場に使っているケースだ。足場の鉄板がボロボロに錆びていて、そのうち壊れるに違いない。

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そして割と多く見かけるのが既に空き家となった小屋の数々。持ち主が病気とかで死んだりした後なのだろうが、跡地はしっかりとお役所によって封鎖され「出ち入り禁止」のプレートが貼り付けられ、家の扉には木材が打ち込まれて封印済み。

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DEEP案内シリーズ管理人。2009年から海外各地を訪問し始め、現在の訪問国は25ヶ国。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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