ここはパリの西成か御徒町か!?「バルベス・ロシュシュアール」の線路下市場

フランスの首都パリの中でも屈指の観光地であるモンマルトル、それから長距離列車が発着する交通の拠点であるパリ北駅、その間の地域というのはパリ市内の中でもアフリカ系住民(つまり黒人)やインド系住民が多く、独特の移民街が形成されている。

パリ バルベスロシュシュアール

パリと聞いて日本人なら「花の都」だとか凱旋門だとかシャンゼリゼ通りだとか、そんな綺麗どころばかりイメージしてお花畑状態になるオメデタイ人々が多いようにも思えるのだが、実際のパリという街は移民だらけで、特にこのエリアをうろつくと人種の坩堝、ごった煮状態となった都市の現実を嫌という程見せつけられるのでお勧めである。

パリ バルベスロシュシュアール

モンマルトルとパリ北駅の間にある地下鉄2号線の「バルベス・ロシュシュアール(Barbès-Rochechouart)」駅前にやってきた。バルベス通りとロシュシュアール通りの交差点にあり両方から取った合成駅名ってことか。まるで「上野御徒町」みたいな言語感覚だな。パリ北駅からも徒歩10分くらいで来られる。

パリ バルベスロシュシュアール

パリメトロ2号線は1900年から1903年の間に整備された古い地下鉄で、この付近だけ地上区間のくっそレトロな高架線やバルベス・ロシュシュアール駅のレトロな駅舎なんぞが拝めたりしてなんだか街全体が骨董品のように思える。

パリ バルベスロシュシュアール

しかしその足元に目をやると、何やら身なりの貧しそうな方々が路上でバッタモンやボロそうな古着を広げて何やら商売しているという香ばしい光景が拝めるのであった。これは果たして…

パリ バルベスロシュシュアール

さながら西成の泥棒市のようなアレな光景が繰り広げられているという爽やかなパリの朝である。どうも見ている限り不要になった生活用品を勝手に売ってるだけのフリーマーケット状態のような気がするが、露店の店主も客もその多くは移民である。

パリ バルベスロシュシュアール

当取材班は10月初旬にパリを訪れて、サマータイム中ともあってパリの朝は8時を過ぎても夜が明けきっておらず、ようやく9時を過ぎる前くらいにバルベスに来ると、多くの買い物客が付近にごった返しているのが見られた。

パリ バルベスロシュシュアール

前日に宿をパリ北駅近くに取っていたのだが、北駅からバルベスの辺りまでは「パリ屈指の犯罪地帯」「非常に治安が悪い」などと散々言われるような地区。まあでも観光地であるモンマルトルに居た黒人の押売りの方がよっぽど質が悪いと思うんですけどね。

パリ バルベスロシュシュアール

確かにガラの悪そうなオッサンオバハンばかりだし、夜の雰囲気は悪かったが、朝にやってくると駅前の高架下が市場になっていて、多くの買い物客と商店で賑わいなかなかいい感じになっている。バルベス市場というそうです。

パリ バルベスロシュシュアール

バルベス・ロシュシュアール駅前にある「TATI」もまた有名な激安ショッピングモールで、このバルベス市場と合わせて地元では安物買いのメッカとなっている訳なのである。そう、ここはパリの「御徒町」。さしずめ市場はパリの「アメ横」である。じゃあTATIはパリの「多慶屋」か。

パリ バルベスロシュシュアール

そう思うとこの異国のマルシェも御徒町みたいなもんだと不思議な親近感を持って見てしまうものである。高架下の市場にはありとあらゆる食材が置かれていて、別にこの場所に限っては客層が貧しい人ばかりという訳でもない。

パリ バルベスロシュシュアール

食欲をそそられる緑黄色野菜の数々。食に国境はないと常々思わされる光景だ。おフランス的なお高く止まっているような雰囲気も微塵程にもない庶民の為の市場って素敵ですよね。

パリ バルベスロシュシュアール

バルベス市場は毎日やっているわけではなく、水曜日と土曜日の午前中だけ開かれているそうで、この光景が見られたのも僅か3日間のフランス滞在中の間のちょうど良いタイミングでの事だった訳か。

パリ バルベスロシュシュアール

新鮮な魚介類がずらりと並べられた魚屋さんもありますよ。サーモンとか海老とかホタテとか食ってるもん変わらんな…

パリ バルベスロシュシュアール

バルベス周辺は北アフリカ系移民が非常に多く、買い物客もそれっぽい人々ばかりである。この界隈は治安が悪いと何度もガイドブックに脅された覚えがあるが、せいぜいスリへの心配くらいで構わないだろう。

パリ バルベスロシュシュアール

野菜や肉や魚はまあそれほど違いはないかなぁと思うのだが、さすがにオリーブの実の種類豊富に関してはヨーロッパならではと思わされますね。

20121003 (282)

我々は怪しい露天商と市場とTATIの外観くらいしか見られなかったが、バルベスと言えば古着屋が多い繊維街でもあり、御徒町ばかりでなく日暮里みたいな光景も見られるようです。シャレオツなイメージのおフランスでも下町のオバ服屋のもっさり感は日本の下町とそう変わらんぞ。一着5ユーロ均一ですよ!

パリ バルベスロシュシュアール

移民コミュニティの文化を感じずには居られない、アフリカ及び多国籍系ライブイベントポスターが廃墟化したビルや工事現場の塀などにベタベタ貼られている光景もここバルベスではいくつも見る事ができる。ベタな観光地にはないパリ市民の素の生活ぶりを見るならお勧めの街であります。



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DEEP案内シリーズ管理人。2009年から海外各地を訪問し始め、現在の訪問国は25ヶ国。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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