芸術の都オーストリア・ウィーンに何故か「世田谷公園」がある件

オーストリアの首都ウィーン。芸術の都とかなんとか言われるような場所だが、基本的に芸術に興味がなければなかなか足が向かない場所かも知れない。我々は大阪のド派手ゴミ処理場のデザインを担当したフンデルトヴァッサー関連のものが見たかった事もあるので足が向いたんですがね。

ウィーン 世田谷公園

我々がやってきたのは、ウィーンの市街地の中でもとりわけ富裕層が多く住んでいるという東京の中の世田谷区のような地域、ドゥブリング区(Doebling / 19区)に足を運んでいた。ウィーン市街地の北部に位置し、小奇麗な住宅地が広がる良い子ちゃん向けの街だ。

ウィーン 世田谷公園

そんなウィーン・ドゥブリング区は東京都世田谷区と姉妹都市提携を結んでいる関係で、「世田谷公園」という名前の公園が存在すると聞いてやってきたのだ。「宇宙日本世田谷」じゃなくて「宇宙ウィーン世田谷」である。フィッシュマンズは知っててもそれは知らんぞ。

ウィーン 世田谷公園

ここに来るには都心のショッテントール(Schottentor)駅から市電(路面電車)の37番系統に乗ってバラヴィツカガッセ(Barawitzagasse)という停留所で降りましょう。そこは世田谷のような優良住宅地らしいです。

ウィーン 世田谷公園

もう、この辺のおハイソマンションとかも「成城学園前です」とか言われても何の違和感もないのな。そういう所でなければそもそも世田谷区が姉妹都市提携するわけなんぞないのだろうが…

ウィーン 世田谷公園

バラヴィツカガッセ停留所からさほど離れていない場所に、その世田谷公園とやらがあった。日本で世田谷公園と言ったら、池尻に実在する公園なんですけどね。そこじゃないんですよね。入口は「不老門」と書かれている。

ウィーン 世田谷公園

不老門を潜ると、傍らに置かれていた看板で確かにここが「SETAGAYA PARK」である事が確認できる。ウィーンにも世田谷公園があったのだ…しかし肝心の説明がドイツ語でわけわからんですたい。

ウィーン 世田谷公園

しかしもう片方にはしっかり日本語での案内看板があったので、この公園の概要を知る事が出来た。1984~85年以来、ウィーン・ドゥブリング区との姉妹都市世田谷区の名にちなんで命名したと。

ウィーン 世田谷公園

そして公園内にあるあずまやや石塔、灯籠などは友好の証として当時の世田谷区長の名義で寄贈されたものだという。ほんとだ、日本風の茶室が建ってますよ。時々お茶会なんぞも開かれ、日本文化を楽しむ事ができるそうです。

ウィーン 世田谷公園

ウィーンの世田谷公園の面積はそれほど広くはない。4800平米で、サッカーフィールドを半分にしたくらいの面積か。

ウィーン 世田谷公園

しかし園内は日本庭園風のしつらえが施されていて、結構本格的なのである。我々が訪問した10月半ばにはウィーンはかなり底冷えしていたので、紅葉する種類の葉っぱはなかなか良い色に染まっておる。

ウィーン 世田谷公園

太鼓橋に紅葉したもみじが映えますね。これが日本だと言われても嘘だとはなかなかバレないだろう。足元のドイツ語の注意書きに気づくまでは。

ウィーン 世田谷公園

1992年に日本の有名庭師中島健氏(故人)の設計のもと作られたという世田谷公園の日本庭園。同氏は田中角栄邸の庭なんかも手掛けた人物で、さすがに気合い入ってますね。滝まで流れていたりして。

ウィーン 世田谷公園

さらに池には鴨の親子まで泳いでいるという徹底ぶり。

ウィーン 世田谷公園

世田谷区長に寄贈されたというあずまやも健在。ここに座っていっぷくすれば異国にいながら日本気分に浸れる事請け合いのようである。あんまり客もいないし、ある意味のんびりできる場所ですね。

ウィーン 世田谷公園

そんな日本庭園の管理は日本人ではなく、現地の人達がやっているようで、やはりそこは外国なのだなという事で我に返る。という訳でウィーンも世田谷公園がありましたというだけでそれ以上何のオチもないお話でした。

ウィーン 世田谷公園

ちなみに同じウィーンには「葛飾区と姉妹都市提携をしている」フロリズドルフ区(Floridsdorf / 21区)に「寅さん公園」というのがあるらしい。行き逃したけど…


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DEEP案内シリーズ管理人。2009年から海外各地を訪問し始め、現在の訪問国は25ヶ国。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。